夏フェスの季節がやってきましたね。21回目を迎える「FUJI ROCK FESTIVAL」を筆頭に、今年も数多くのフェスが開催されます。屋外のみならず屋内でのフェスも開催されています。まさに音楽ファンのために夏はある。
そんな音楽フェスですが、近年ではお子様連れで参加されている方々も多く、ベビーカーを押しながらヘドバンし、ノリノリでオムツを替え、肩車しながら大好きなアーティストの音を楽しんでいます。
なかには体調を崩す子供や、耳を手で押さえている子供の姿を見ることがあります。音楽フェスやライブの爆音は大人たちには気持ちよくても、カラダが成長中の子供には、実は厳しい環境なのです。
今回は、親子で音楽フェス・ライブを楽しむための、子供のための防音イヤーマフを提案します。
WHO(世界保健機構)が推奨するのは「音楽は1日1時間」
WHO(世界保健機構)によると、世界では12〜35歳の約4,300万人が難聴や聴力損失状態にあるといいます。富裕国や中所得国では、12〜35歳の50%近くが音楽プレイヤーを危険な音量で使用しる傾向。そして約40%はクラブやバー、スポーツイベントで危険な音量にさらされている可能性があるといいます。
そこでWHOは2015年に「音楽を聞くのは1日に1時間までにしましょう」と呼びかけました。
WHO | Make Listening Safe (PDF) ← パンフレットPDF
WHO | Make Listening Safe ← 詳細な資料等のページ
デシベル数 | 安全な聴取時間 | 状況・環境 |
---|---|---|
130.0db | 1秒未満 | 飛行機の音 |
125.0db | 3秒 | 雷 |
120.0db | 9秒 | ブブゼラ |
115.0db | 28秒 | ロックのライブコンサート |
110.0db | 30秒 | チェーンソー |
105.0db | 4分 | 最大音量の音楽プレーヤー |
100.0db | 15分 | 車のクラクション、地下鉄 |
95.0db | 47分 | 中型オートバイ |
90.0db | 2時間30分 | 芝刈り機・騒々しい工場の中・カラオケ |
85.0db | 8時間 | 車の騒音 |
80.0db | 無制限(支障なし) | 目覚まし時計 |
75.0db | 無制限(支障なし) | 掃除機 |
70.0db | 無制限(支障なし) | 洗濯機 |
65.0db | 無制限(支障なし) | エアコン |
60.0db | 無制限(支障なし) | 普通の会話 |
上の表は、WHOの資料をもとに作成したものです。音楽フェスやライブはロックのライブコンサートで115dbといわれています。上下のブブゼラやチェーンソーに近い音量だとイメージできます。これは相当に大きな音です。爆音です。
爆音を聞き続けると起きる症状が「騒音性難聴」です。
騒音性難聴の症状とは
騒音性難聴とは、音楽フェスやライブを爆音で楽しんだ後、まだ音がなりつつけているように耳に残る不快感や違和感が収まらない症状のことです。
耳の奥、内耳の蝸牛(かぎゅう)には音を分析する有毛細胞が並んでいて、爆音の状況で耳に長い時間負荷をかけてしまうと有毛細胞がダメージを受け、騒音性難聴が発生すると言われています。
親子で音楽フェスやライブを楽しむ、子供の耳を守る、そのためにイヤーマフが必需品なんです。
イヤーマフとは
イヤーマフはヘッドフォンのように耳に当てる道具です。木こりがチェーンソーの騒音を抑えるために耳に装備しているし、サーキットのレーシングカーのエンジン音を抑えるためにスタッフが装着している、射撃訓練の人が耳に装着している、自閉症の子や、聴覚過敏の子も装着しているあれがイヤーマフです。
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イヤーマフの選び方「遮音値」
子供用とすれば、デザインは可愛い色や形にしたいところですが、まず検討すべきは「遮音値」です。イヤーマフの製品紹介に、26dbとか、34dbとか表示されている数字のこと。この数値は、イヤーマフを装着した時に、その環境下で低減されるdb(デジベル)値のことです。
例えば上記のWHO資料による表から「ロックのライブコンサート」では115dbとなりますので、遮音値26dbのイヤーマフを装着した場合、115db – 26db = 89db「芝刈り機・騒々しい工場の中・カラオケ」程度の90db以下まで騒音が低減されます。遮音値34dbのイヤーマフの場合には、115db – 34db = 81db「車の騒音〜目覚まし時計」程度まで騒音が軽減されます。
詳細な話になると、遮音値NRRとか、低域から高域の周波数のどの範囲を低減できるイヤーマフなのか、100db以上は耳栓のほうがベスト、など調べれば調べるほど専門知識を深く掘り下げる分野ですので、ここでは簡単に「遮音値」だけを選ぶ基準としてみました。
音楽フェスやライブは2時間以上大きい音を聞くことになりますので、できれば遮音値30db以上のイヤーマフを準備することをお勧めします。
イヤーマフの選び方「高耐久性」
子供が装着するので、少し乱暴な扱いを受けることになるであろうイヤーマフに必要なのは高耐久性です。ヘッドバンドで長さを調整することも多いので、ラバー素材や高品質ABS素材のヘッドバンドを選ぶと良いと思います。
まとめ
先日、アジカン(ASIAN KUNG-FU GENERATION)の公式HPで、ライブ時に、児童用イヤーマフの貸し出し、児童のイヤーマフの着用を入場時のチェック事項に盛り込むことが発表されました。
アジカンからのお願い 最近はライブ会場で未就学や小学生の児童を見かけることが増えました。…|Gotch /後藤正文 / ASIAN KUNG-FU GENERATION /ゴッチ
是非、アジカンの文章を読んでいただきたいのですが、親子でロックを楽しめるように本気で考えてくれた暖かい文章です。子供を守るイヤーマフの意義をしっかりと伝えてくれています。
近年、ライフスタイルの変化もあり、スマホでヘッドフォンやイヤホンを利用して大音量で音楽を楽しむ人が増えていますし、小さい子供を連れて音楽フェスやライブに行く方々も増えてきています。
親子で音楽を楽しめる環境が増えてきたのは、まちがいなく良いことです。大大大推奨です。だからこそ、ボクたち親は子供の耳を守ることを考えるべきです。成長中な子供のカラダは未成熟なんですよね。
是非、子供用イヤーマフを準備して、音楽フェスやライブは親子で本気で楽しんでください。
では!コブトリズムでした。今日も小太りさまでした!